完治が難しいと言われている脂漏性皮膚炎。
マラセチア菌とよばれる真菌(カビ)の一種が増殖して起こると言われています。
このマラセチア菌とはどんな菌なのでしょうか。
マラセチア菌のほかに脂漏性皮膚炎の症状を悪化させる原因があればそれも理解しておきたいですよね。
ここでは脂漏性皮膚炎の原因について詳しく解説していきます。
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脂漏性皮膚炎の原因とは?
なんらかの理由で皮脂の分泌が多くなる状態を「脂漏」といいます。
脂漏性皮膚炎の大きな原因となるマラセチア菌。
治療を始めるときは、薬で金を減らすだけではなく、なぜ皮脂の分泌が過剰になっているのか原因を見きわめることも大切です。
マラセチア菌とは
マラセチア菌とはアクネ菌などと並ぶ皮膚常在菌のひとつです。
皮脂を分解する際、リパーゼと呼ばれる酵素を分泌して、皮脂をグリセリンと遊離脂肪酸と呼ばれる物質に分解します。
この遊離脂肪酸が酸化して、過酸化脂質が皮膚の炎症を引き起こすのです。
皮脂の分泌が過剰になった脂漏状態ではマラセチア菌も増殖。
過酸化脂質だけではなく、増えすぎたマラセチア菌そのものも皮膚に炎症をもたらします。
ここまでくると自然治癒が難しい状態になります。
なお、頭皮に大きなフケができるのは、新陳代謝機能に異常が生じて老化細胞としてはがれ落ちる角質が大きくなった状態です。
「カビが原因」と言われると、完全にカビをなくさなければならないような気になりますが、マラセチア菌は常在菌の一種。
異常に繁殖した状態が皮膚炎を起こすのであって、完全に死滅させる必要はありません。
皮膚科で処方される抗真菌薬も菌の増殖を抑える作用を持った医薬品になります。
皮脂の分泌が過剰になる理由とは
脂漏状態がマラセチア菌を増殖させる原因であることはお分かりいただけましたか?
では、皮脂の分泌が過剰になる脂漏状態はなぜ起こるのでしょうか。原因はいくつかあります。
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレスや睡眠不足
- ビタミンBなどの栄養素の不足
- 入浴・洗髪・洗顔不足
ホルモンバランスの乱れ
男性ホルモンが優位な状態になると、皮脂の分泌が増えます。
男性の場合、脂漏性皮膚炎と薄毛が同時に起こっていることがありますが、これも男性ホルモンの影響によるものと考えられます。
女性の場合でもストレスや閉経などによって男性ホルモンが優位な状態となり、脂漏性皮膚炎になる人や妊娠をきっかけに脂漏性皮膚炎を発症する人がいます。
ストレスや睡眠不足
ストレスや睡眠不足、疲労した状態が続くと自律神経に乱れに生じます。
その結果、体を緊張、興奮状態に保つ交感神経が優位な状態が続くことに。
交感神経はホルモンの分泌をしている器官で、交感神経が優位な状態が続くと男性ホルモンの分泌を増やしてしまいます。
この悪循環から抜け出すためには、まずリラックスした状態を心がけ、副交感神経が優位な状態になるような生活を心がける必要があります。
まずはゆっくりと体と心を休めること。
働きざかりの男性で脂漏性皮膚炎に悩まされる人は少なくありません。
自分でも自覚しないうちに大きなストレスを抱えていることが多いようです。
あえてなにもしない時間を設けるなどしてストレスを軽減するようにしましょう。
イライラしていると、つい患部を触ったり、力を入れて掻いてしまうことにもつながります。
また、十分に睡眠時間を確保することも大切。
自律神経のバランスを保つためにも、早寝早起きを心がけて、規則正しい生活を送るようにしてください。
ビタミンBなどの栄養素の不足
皮脂の分泌を正常な状態に保つ、ビタミンB2やB6。
普通に食事をしていれば不足しにくい成分ですが、外食が多い方は注意が必要です。
ビタミンBを補うことで症状が少し改善することもありますが、サプリメントだけで治ることはありません。
脂肪の多い食事やナッツ類、アルコール、糖分、コーヒー、香辛料なども皮脂の分泌を増やすことが分かっています。
便秘による腸内環境の悪化も症状を悪化させるので、食物繊維や発酵食品などを意識して摂るのもオススメです。
入浴・洗髪・洗顔不足
基本的な「洗う」ケアの不足も脂漏性皮膚炎の増加につながります。
女性の患者さんの中には角質培養や肌断食など、洗わないケアが原因で脂漏性皮膚炎を発症する人も。
水だけでは皮脂を落としきれないことも多いので、刺激の少ない洗浄料で適度に汚れや皮脂を落とすことが大切です。
入浴は毎日、洗髪は1~2日に1回、洗顔は晩に1回が基本となります。
ゴシゴシこすると炎症やかゆみが悪化するため、刺激の少ない洗浄料で優しく洗い、よくすすぐことが大切。
合成界面活性剤が配合された洗浄料は皮膚のバリア機能を低下させてしまうので避けましょう。
刺激の少ない敏感肌用のアイテムや抗菌効果のある成分を配合したシャンプーや洗浄料を選ぶとよいでしょう。
まとめ:原因が菌やカビでも、洗いすぎは症状悪化の元!
真菌が原因というと、患部を何度も洗って肌を清潔にしなければ!
そう考えるかもしれませんが、洗いすぎも皮脂の分泌を増やしてしまいます。
マラセチア菌は常在菌の一種。
適切な治療を肌に優しいお手入れでマラセチア菌が増えすぎた状態を改善するのが大切ということを理解しておきましょう。